データベース化提案への流れ(第2回) カタログを「データベースからの自動組」にする条件
「データベースってなんだろ…」
「具体的に何ができるの?」
「導入する上でのメリットやデメリットは?」
などの疑問を事例と考察によって記述していきますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
デザインがパターン化されている必要がある
まず、何でもデータベース化して自動で組める、というものではありません。自動組には向き不向きがあります。
何にでも向き不向きがあります。データベース→自動組版も同様です。
「対応は出来てもメリットが薄い」や「体裁が似ていてデザイン的に良くない」というように不向きな面も持っています。
- 「デザイン性の高いもの」や「一度使ったきり次回では使用しないもの」→不向きである
- 「大量のデータを参照するもの」や「リスト化・コマ化・テンプレート化されたもの」→向いている
別にパターンが1つでないといけないというわけではなく、例えばカタログ内ページのテンプレートパターンが3つあるのであれば、3種類のテンプレートが必要となります。
商品/製品カタログなどはその傾向が強いため向いているのですが、そうでないものもあります。ポスターなんかは無理です。
【デザイン】の自動化ではありません。どちらかというと自動で【レイアウト】です。テンプレートパターンに流し込む、と言ったほうが良いでしょうか。
たとえばカタログでも1点だけ特殊なページがあるとか数ページだけデザインされたページがあるといった場合は、テンプレート化出来そうなページは自動組、他のページは手組みをします。
「何だ全自動じゃないのか」とも言われますが、全自動に出来なくもないですが、それをやるにはとんでもない時間と金額を要すので、バランス見て自動部分と手動部分を分けて考えた方が現実的です。
表記の統一
カタログを見てますと表記がバラバラだったりもします。例としては
商品:ビールA |
商品:ビールB |
同じ紙面に載るのならば、表記を統一したほうが読者もわかりやすいのではないでしょうか。
メーカーさんからの原稿の表記どおりだったり、担当者レベルでの表記方法の違いだったりした場合、以下のような弊害があります。
例えば「長さ」と「サイズ」、「重さ」と「重量」のようにデータベースに別々に格納すると、
- データベースを構築する時
- データベースにデータを入力・更新する時
- 流しこみをする時
よって、データベースを構築する際は運用方法・管理方法・データの種類・メリット及びデメリットに関してのトレードオフなどを考慮した完成形を構築・運営に携わる人間が描ける状態まで落とし込む必要があります。
正しい情報
当然と言えば当然の話ですが、データベースのデータは最新のデータに更新され続け、運用されます。
構築する場合に
- 「カタログから情報を拾ってくれ」といって渡されたカタログが古い。
- その「カタログ」が前回作った際に校正の見落としで間違っている。
- 最新のカタログなんだけど、商品/製品を管理しているデータの内容が違う(つまりカタログ作成後のエクセルのデータに商品/製品が追加・更新されている)。
運用する際も同様です。削除された製品・商品がそのままの状態であったり、スペックの違う同名のアイテムがある場合、データの信頼性が失われデータベース自身の存在意義が無くなります。
百貨店カタログ作成時も上記のようなルールを決めて、メーカーさんに説明を行いました。